2021.06.25

一億人を相手にできる可能性がある仕事

西濱大貴
テクニカルディレクター
博報堂 マーケティングシステムコンサルティング局
博報堂 生活者エクスペリエンスクリエイティブ局
博報堂DYホールディングス マーケティング・テクノロジー・センター


博報堂の中に新たに生まれた「テクニカルディレクター」というポジション。その仕事は、HAKUHODO DX_UNITEDにおいても重要な役割を果たしています。10年前に博報堂に新卒で入社し、現在はテクニカルディレクターとして現場のリーダーを務める西濱大貴に、現在の仕事の内容や博報堂の魅力について聞きました。

 

■この会社ならどんな知識でも活かせる

─博報堂に入社した理由をお聞かせください。

情報工学系の大学院を卒業して博報堂に入社したのが2011年です。大学で専攻したのはエンジニアリングでしたが、僕自身は、優れた技術を自分なりに解釈して、その価値をいろいろな人に伝えることの方が当時から好きでした。博報堂は優れた点を見つけ、世の中の人たちに広く伝えていく会社だと考えていたので、自分の性格に合っていると思いました。当時、理系の新卒の社員は多くはありませんでしたが、入社してから「どんな知識でも活かせるよ」と色々な先輩に言われたことを憶えています。

─入社時はどのような部署だったのですか。

 部署は、いま思うとマーケティング×デジタルを推進している新しい部署でした。業務スコープとしては新規事業開発担当でしたが、上司がストラテジックプラナーだったので、早い段階からプランニングの仕事に携わる機会が多かったです。その後も、マーケティング、クリエイティブ、コンサルティングと、さまざまな仕事を体験させてもらいました。一貫していたのは、課題をことば化し、ストーリーをつくるということです。テクノロジーに関する知識は、アイデアを種・形にしていくのに大いに役立ちました。

 

■テクニカルディレクターに求められる役割とは

─テクニカルディレクターは、博報堂の中でも新しい職種です。この職種について説明していただけますか。

ひと言で言えば、クライアントの困りごとをテクニカルな視点で解決していくのがテクニカルディレクターの役割です。単にテクノロジーの力を使うというだけでなく、コミュニケーション設計、広告、デザインなどのクリエイティブ領域と、システムや仕組みを実装していく領域。その両方のスキルが求められます。

 広告会社にはクリエイティブディレクター(CD)という職種があります。職名に「クリエイティブ」とついてはいますが、実際には戦略も含めた非常に幅広い領域を担当する仕事です。博報堂のテクニカルディレクターも同じように、複数の領域を横断的に担う仕事と考えていただくのがいいと思います。

─具体的にはどのような役割が求められているのでしょうか。

現在の役割は大きく3つあると考えています。一番期待されているのは、企業と生活者を結ぶ「体験」のコンセプトを考え、それを実現する仕組みや装置をつくることです。

ふたつ目は、「長さのクリエイティビティ」をつくることです。世の中の動きがどんどん速くなっているために、広告もサービスもコンテンツも役割が短期化する傾向があります。しかし、長く続けることによってしか実現しない価値もあります。長い視野をもって企業と生活者のコミュニケーションを設計していくのが「長さのクリエイティビティ」で、それをつくるのが、博報堂におけるテクニカルディレクターの役割です。

それから、「アイデアのコア」を見極めることも期待されている役割の一つですね。新しい課題やアイデアが出てきた場合に、雑多な要素の中から最も中心にある要素を特定し、それを実現する具体的な仕組みをつくっていく。そんな役割です。

─現在はどのような組織に所属しているのですか。

 メインは博報堂のマーケティングシステムコンサルティング局で、これはさまざまな分野のスペシャリストが集まっている50人くらいの規模の組織です。メンバーの半分以上は、事業会社、コンサルティングファーム、ITベンダーなどから転職してきた人たちです。いろいろなジャンルのプロが互いの知見を交換し合いながら、今までにない視点でクライアントの課題解決を推進していく。そんな醍醐味がある組織ですね。

ほかに副属として、研究開発や他社とのアライアンスを手がける博報堂DYホールディングスのマーケティング・テクノロジー・センターと、最近発足した博報堂の生活者エクスペリエンスクリエイティブ局でも働いています。テクニカルディレクターはできたばかりの職務なので、いろいろな場所での動き方を模索しているところです。

 

■「無理」と思っていたアイデアが実現したときが一番楽しい

─テクニカルディレクターに求められるスキルや素養とはどのようなものですか。

 

必要なスキルとしては編纂力だと思います。クライアントから課題解決を依頼されたときに、その課題を過去の延長線上で捉えて解決策をまとめていくのではなく、市場や技術のトレンドを踏まえながら、「このような見方もあります」とまったく新しい切り口をクライアントに意思をもって提案していく。そんな力が必要です。

素養については、想像するのが好きなことですかね。自分自身に楽しいこと、試してみたいこと、実現したいことが明確にあることです。ソフトウェアもハードウェアもテクノロジーは日々進化しています。テクノロジーを理解し、活用可能性を探しながら、自分のやりたいことにどんどんチャレンジしていくことが仕事にもいかされる。そう考えています。

─テクニカルディレクターの仕事の中で、一番の面白さを感じる瞬間はいつですか。

無理だと思っていたアイデアが実現したときですね。アイデアを思いついたときって、それが新しければ新しいほど、「これを実現させるの無理じゃないかな」と感じてしまいますよね。でも、いろいろな人に協力してもらうことで、それが実現してしまうことがあります。その瞬間が、一番心が躍りますね。

─では、テクニカルディレクターという仕事の一番のメリットは何でしょうか。

 博報堂のテクニカル領域は広く、大きな仕事ができることがあります。場合によっては、一億人を相手にする仕事に携われる可能性もあります。自分たちで生み出した価値をたくさんの人に届けられる。そんな職種だと思います。

 

■仲間たちともに新しい価値を創造する

─10年間博報堂で働いてきて、この会社の魅力はどこにあると感じていますか。

 

ありとあらゆる分野のクライアントのビジネスを、生活者の視点で支援していく。それが博報堂という会社のミッションです。携わることができる分野や業種が本当に幅広く、グループ内にも多種多様なプロフェッショナルがいることが大きな魅力だと思います。好きなことを好きといって、どんなことでも肯定されるのは素直に素敵だと思います。

もっとも、これからは自社内だけで仕事を完結させる時代ではありません。世の中の広範な技術や知見を混ぜ合わせて、新しい価値を生み出していくことが必要です。その「混ぜ合わせ方」にも独自の文化があるのが博報堂のよさだと感じています。

─博報堂が掲げる「生活者発想」というフィロソフィーについてもお考えをお聞かせください。

 とても重要な考え方ですよね。自分自身を一生活者とした場合に、ほんとうに必要なものは何か──。そんな視点であらゆる仕事に臨むことによって、世の中に届ける価値を最大化できると考えています。

─最後に、求職者の皆さんへのメッセージをお願いします。

自分自身に挑戦したいこと、やり遂げたいことがあれば、それを助けてくれる仲間が博報堂にはたくさんいます。すぐ隣にいるスペシャリストと一緒に、これまでになかった新しいものを生み出していくことができるのがこの会社の素晴らしさです。ぜひ、僕たちと一緒に世の中にインパクトを与えられる大きな仕事をしていきましょう。 


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