課題解決意識と、新しく幅広い領域の開発を楽しめる心

藤本 良信

AaaS開発推進プロデューサー・AaaSデータサイエンティスト
博報堂DYメディアパートナーズ  メディアビジネス基盤開発局  局長


広告メディアビジネスの次世代型モデル“AaaS(Advertising as a Service)に基づき、クライアントの広告効果を向上させるための機能開発が進んでいます。メディアビジネス基盤開発局の藤本局長に、AaaSの開発に必要な人材について話を聞きました。
 

大きな仕事がしたくて、キャリア入社をした

─これまでの仕事の歩みをお聞かせください。

2001年に私は博報堂にキャリア入社したんです。前職でテレビ局担当をしたのち、研究開発の部署に異動したのが開発職を始めたきっかけ。そこから博報堂の研究開発局にキャリア入社し、広告効果のシミュレーター開発に携わっていました。その後、博報堂DYメディアパートナーズ(以下、MP)ができて、MPのメディアマーケティング局に移ります。そこで、始まったばかりの地上デジタル放送の研究や広告効果の研究にしばらく従事しました。

そのあとテレビと携帯電話のクロスメディアによるサービスを提供する社内ベンチャーの代表として、約9年間ほどやっていました。それから、またMPに戻って、今の開発部門に配属されました。テレビの視聴ログソリューション“Atma”を開発し、生活者データマーケティングプラットフォームの領域にも関わり始めてから今のAaaSも含めて、MPでもずっと開発の仕事をしています。

 

─転職した背景について教えてください。

大きな仕事ができる点がメインです。開発の規模も違います。博報堂の方がネットワークもあると思ったので、転職に踏み切りました。入る前は博報堂の人に知的なイメージを持っていたんですよね。その通りな部分はもちろんあるんですが、組織がフラットで、ボトムアップの文化があるのは意外でした。キャリア入社者はやりにくいのかと思っていたのが、いい意味で裏切られました。

 

外部の力を借りながら、若手中心で進むAaaSの開発 

─AaaSとの関わりを詳しく教えてください。

2019年ごろに「広告業界がデジタルで変わっていく中で、業務のやり方も変わっていく」という今後のメディアビジネスの課題が浮上しました。その課題解決にAaaSが動き始めたんです。
 

─メディアビジネス基盤開発局の役割は何ですか。

業務の大半は課題解決の機能を作っていくことです。AaaSの構想に基づくソリューションとして、“Analytics AaaS” “Tele-Digi AaaS”“TV AaaS”“Digital AaaS” が存在しています。それぞれのAaaSで発生する課題を解決するための機能を開発していくのが、私たちの仕事です。

 

─メンバーについて詳しく教えてください。

社員半分・外部委託半分ぐらいの構成となっています。大きな開発は、大手SIerの方に入ってもらっているんです。他にもメンテナンス・サポート対応・デリバリーなどの運用に近い領域も、その領域を得意とするパートナー数社に来てもらっています。チームマネジメントして開発するやり方と、社員でチームを組んで開発するやり方を開発テーマで分けて運用しています。なおデータサイエンティストの領域は外部委託をせずに、すべて自前でやっています。

開発は、基本的にアジャイル開発で進めて、外部ベンダーのチームをマネジメントする際は、ベンダーのチームワークを尊重しながらやっています。。入っている会社が違いますから、博報堂DYグループの文化に寄せるのだけではなく、それぞれのチームごとにいいやり方でやってもらっていますね。もちろん標準化すべき部分は標準化していますが。

 

─社内のスタッフには、どのようなキャリアの人が多いですか。

メディアプラナー経験者、ビジネスプロデュース職(営業)からデジタルを経験してきた人、それから新卒とさまざまです。年齢層は若め。データサイエンティストは専門の新卒採用がはじまったばかりなので、、データテクノロジー部は3年目ぐらいまでしか現状いません。データサイエンスインターンをやっていまして、そこから興味をもって入ってくる人が主です。若手の次はもう部署長しかいなくて、中堅社員が少ないんですよ。

 

─今後の組織展開をどのようにお考えですか。

開発組織力を上げていきたいと思っています。開発エンジニアやデータサイエンティストが内部にいるので、“専門性をどのように上げるか”や“開発組織としての文化をどのように作るか”を試行錯誤しているところです。

開発者が自発的に開発をしていく文化を作りたいんですよ。みんなが信頼し合って、謙虚に話し合い、ほかの人の開発にも興味を持っていく。そのような文化をどのように作っていくか。2020年にできたばかりで人材が増えている段階なので、今まさにやろうとして奮闘しています。

また、メディアビジネス基盤開発局は2022年4月に発足した株式会社博報堂テクノロジーズにも籍を置いています。博報堂DYグループの共通基盤として、ビジネス変革のためのテクノロジーの強化を目的に発足した企業体です。引き続き社外との協業はもちろん、今後は博報堂テクノロジーズ内のエンジニアとも共創しメディアDXをグループ全体で推進します。

 

いろいろな意見を聞きながら、短期間での開発が続く

─藤本さんがおっしゃるような課題意識をみなさんもお持ちですか。

そうですね。開発には課題が多く、どれから手をつけるか、どのようなアプローチで進めるかが重要なんです。だから個人で考えて、責任を持って課題解決に努めてしてほしいと私は思っています。わからないときは人に聞く、間違ってもいいから相談してみる方がよいのは確かです。コミュニケーションを取りやすい雰囲気にしていこうと私も努めています。
 

─博報堂やMPの開発職のおもしろさは何だと思いますか。

プロダクトオーナー的な、ビジネスに近い立ち位置になる点は大きいです。ビジネスプロデュース職やメディアプラナーと議論しながら「こういう開発がいいだろう」とエンジニアリングしていく中で、ビジョンまで考えられて、ツールがどのように使われているかまで見られるのは博報堂やMPの社員ならでは。

博報堂やMPでの開発では課題対応力が求められます。クライアントワークからの課題に対しては、、そのリクエストに対してどのようにつくって、いかに有効に速く提供するかが、難しくもありおもしろいところです。

 

─テレワークと在宅の比率はどの程度ですか。

7割ぐらいがテレワークで、多めだと思います。ただキャリア入社者は、出社している場合も多いんですよね。コミュニケーション取りやすい雰囲気なので、リアルに会ってコミュニケーションして馴染んでいくキャリア入社者は多いと感じます。
 

─コンペに参加する人はいるんでしょうか。

個人でデータ分析のコンペに参加している人はいますね。あとAaaS開発のど真ん中以外のところ、たとえばデータサイエンスをメディアビジネスの中で使っていく活動を“AaaS Tech Lab”で発表できる場があるんです。なので自分たちのデータサイエンスの活かしどころをAaaS Tech Labでつくることもできます。

「こんなおもしろいデータサイエンスのやり方や使い方があるんだよ」と発信するのは、社員のモチベーションにもつながっていると思うんですよね。入社した後、やらされ仕事ばかりではなく、創造性あり自発的なデータサイエンス業務ができることを感じていただく機会としても、重要な発信だと思ってチャレンジしています。

 

幅広い領域に課題解決意識を持って取り組む姿勢が大事

─どのような人がそれぞれのポジションに最適だと思いますか。 

■データサイエンティスト

「データサイエンスをメディアコンテンツや社会に役立てよう!」という気持ちが強い人がフィットすると思います。データサイエンスの技術を追求するよりも、どのように活かせるかの視点で考えてくれる人と一緒に仕事がしたいです。

■開発推進プロデューサー

エンジニアリングをするより、メディアの広告効果をプラニングやコンサルティングする気持ちが強いぐらいがちょうどいいかもしれません。経験があればなおよし。完全なフロントではなく、1.5列目的な立ち位置で仕事をしますから。「このようなツールがあるといいのに」とフロントサイドで思っている人、「現場がこのように使ってくれればいいのに」と開発サイドで思っている人。このような課題感を持っている人たちは、ぜひこの組織で自分の持っていた課題の解決にチャレンジしてほしいと思っています。

 

─ポジションにかかわらず共通して期待しているポイントはありますか。

AaaS自体が始まったばかりなので、メディア広告ビジネスのDXに興味を持ってもらえる人や新しいものを楽しめる人がいいですね。業務に関わろう・吸収しようと積極的な人。実際のキャリア入社者は、エンジニア一筋の人でも、元からいるメンバーを尊重しながら、博報堂やMPならではの仕事を学ぼうとする人ばかり。一つの研究や領域だけをじっくり何年もかけてやりたいという閉塞的な人はいません。2〜3カ月の短いスパンで開発がバンバン進みますから。

あとは課題意識を持っている点も重要です。浮き彫りになっている課題だけではなく、新しい課題を見つけて、実装できるところまでできればベストです。ただし達成するには、問題設定が一番難しい。そこも含めて考えながら、開発の計画を立てる力が求められます。

AaaSは開発領域が多岐にわたり、掛け持ちが多いんです。幅広く関わりながら、全体を早期にわかってもらう必要があります。ですからある部分だけではなく、幅広い仕事を任せる予定です。どのようなポジションでも対応できる力を養いたいんですよね。

 

─メディアに対する興味は必要ですか。

そうですね、必要だと思います。得意先に提供するメディア効果を上げるための開発を行うわけですから。メディア全般に興味がある人の方が勘所はいいですね。

経験があれば理解が進んで提案がしやすいんでしょうけど、関心レベルでも問題はありません。開発組織ではありますが、私も含めて開発一筋ではなくいろいろな経験しているメンバーが多いのが特徴です。メディア領域の経験を多くしているメンバーがいるところに、専門性を持ったキャリア入社者を入れて、“うまい掛け算”で組織力を上げたいと思っています。

 

─キャリア入社者の活躍について教えてください。

AaaSに興味を持ってくれて、自分の専門性を活かしながらアグレッシブに考えて行動している人が多い。たとえばプロジェクトマネージャーの経験が豊富な人が一人います。私たちが知らないやり方などの専門知識が豊富で、組織自体が活性化しました。工程管理もしっかりしていて、現場のメンバーからも頼りにされ始めています。さらに自分が絶対だと押しつけるのではなく、尊重し合いながら話していく中で開発の方向性を決められているのも感心しています。

 

あとは多くの修羅場をくぐっている人がいて、技術的な相談にのって既に頼られていますね。ほかにも採用面接のときから、「フロント側に近いところでやりたい」と熱く語ってくれた人も入社して活躍しています。開発推進部に入って、「覚えよう」や「自分のスキルを生かして貢献しよう」とアグレッシブに動いてくれています。 
 

─育成や研修はどのようにされていますか。

「オンボーディングはこの方法で」と細かく決まってはいません。メディアの知識をつけるための研修は、新人研修で行うような内容をインプットしてもらっています。あとは研修というより、コミュニケーションを増やすことを大事にしていますね。

エンジニアリングの専門性は、研修がいくつもあるので身につけられます。面接のときにある程度わかった上で入社してもらうので、あとはほかの社員と同じ程度のノウハウがつけば問題ないと思っているぐらいです。業務知見が早くに身につきAaaS開発の進め方に慣れてもらえるかを考えて育成しています。

 

応募者へのメッセージ

私が入ったときから変わらず、いいムードがあります。私も温かく迎えてもらえました。働きやすいですし、まさに開発の組織力を上げていこうとしているところなので活躍の場も多くあります。固まった組織の中に部品として入る感じではないです。

キャリア入社者に話を聞くと、「自分の活躍ポイントがありそうだな」と感じて入ってきている人たちが多い。特に年齢が高めの人たちは、“自分が活躍できるか”が転職の判断基準になっています。まだ開発組織として若い私たちにとって中堅人材の不足が課題だと話すと、「その課題解決に役立てそうだな」と感じてキャリア入社したと語る人がいるんですよね。より“粒ぞろいより、粒違い”な開発組織にしていきたいと考えています。

 


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