2022.08.31

50年先に残る博報堂の新たなグローバルビジネスの土台を作る

宮部 裕介(※写真左)
グローバルマーケティングDX推進局 局長代理

坂口 武幸(※写真右)
グローバルマーケティングDX推進局 局長代理


グローバルマーケティングDX推進局局長代理対談

お二人のご経歴を教えてください。

宮部 私は2004年に入社以来、国内のストラテジックプラナー(以下、ストプラ)として消費財や食品メーカーといった、マーケティングを担当してきました。2011年ごろ、食品メーカーさんの海外進出を支援するプロジェクトに入ったことをきっかけに、タイに駐在することになり、グローバルキャリアに踏み出しました。

2012年よりリージョナルストラテジックプラニングディレクターとしてアセアン各国の支援に加えて、生活総研アセアンの立ち上げを経験しました。自動車メーカーのマーケティングのデジタル基盤をつくる仕事を各国でやっていくなかで、デジタル系に軸足を置くようになり、2019年に帰国し、グローバルマーケティングDX推進局(以下、GMDX推進局)の前身となる組織でグローバルのデジタル領域推進に携わるようになりました。
 

坂口 私も宮部と同期なのですが、アメリカの大学院を出てから博報堂に入社しました。当時はグローバル業務をやりたいとは特に考えていませんでした。主に自動車会社を担当していたのですが、中国事業を担当させて頂くことになって、入社5年目のタイミングで北京に赴任しました。5年間の駐在生活を通して「博報堂のナレッジやスキルは、海外でも通用する!」という手ごたえを感じることが出来ました。「博報堂のグローバルビジネスはもっと成長できるのではないか?」と考えるようになって、日本帰任後も海外業務に携わっています。
 

―海外畑が長い中で、お二人が仕事上、大切にしていることは何でしょうか?

坂口 海外業務に携わっていると、今までの経験が通用しないようなチャレンジングな業務に出会うことが多いです。でもそういった状況になった時は、あまり深く悩む前にまずはその業務や環境に飛び込んでみることを大切にしています。自分が率先して飛び込んでいくと、仲間がその姿を見ていてくれて、サポートしてくることが多いんです。


宮部 僕は7年半アセアンで仕事してきたときに、各国で博報堂グループに入っているローカルメンバーに出会ったんです。グループ全体で5,000人ほどいるんですが、彼らが博報堂に対して、ロイヤルティー高く、博報堂で働いて良かったなと思ってもらえるようしていきたいというのが、モチベーションになっていますね。世界中にいる博報堂の仲間と、いい博報堂グループをつくっていきたいです。


坂口 そうですね。一緒に仕事している人が、日本にも、海外にもいて、当然文化の違う人もいる。僕も、みんなが幸せかどうかを大事にしているかもしれないです。誰かひとりだけが得するんじゃなく「これ、関わっている人みんなが幸せになるかな」と。年取ったせいかな(笑)。


―お二人の所属するGMDX推進局は、どういうミッションの組織でしょうか?

宮部 GMDX推進局は、2022年4月からできた新しい部門で、博報堂の中で唯一“グローバル”を冠に持つ局なんです。マーケティングコンサルティングの坂口チームと、DX推進の僕らのチームとが一つになって、グローバルのマーケティング領域のDXを推進していこうと生まれました。“マーケティング”とわざわざ付けているのは、DXはあくまで手段で、その上のマーケティング自体をちゃんと変えていくという意味があります。

これからグローバルで博報堂が戦っていく上で、自分たちの強みであるコンサルティングとDXという、2つの領域の組織自体が融合したこと自体、大きいメッセージになっていると思っています。
 

坂口 今までも一緒にタイで仕事したり、アセアンを出張したりと協業をしていたので、合流はごく自然な流れでした。博報堂のグローバル業務は以前から“ひとつながり”でやっていくのが特徴だったかもしれませんね。
 

宮部 そうですね。そういった“ひとつながり”の中でフルファネルでのマーケティングの効率化と、博報堂らしい生活者に根差した価値をつくっていくという両方をグローバルで推進していく、世界を見据えてアジアで戦えるブランドとDXの先行案件をつくっていく、それを支えるネットワークをつくっていくことをミッションにしています。

そのために、掲げている軸が4つあります。1つ目が、アジアで戦える新しい博報堂の提供価値の型を作り、それをグローバルで展開していけるようにすること。2つ目が、アジアで戦っていけるキャリアやスキルを持った人材になるために、日本の外でも活躍できる人材になっていくことです。3つ目が、アジアで戦えるネットワークをちゃんとつくっていくこと。今まで点だったケイパビリティをつなげてネットワークにしていく、横でつながっていくことで、面で対応できるように推進していきます。最後が、日本国内に合わせた働き方ではなく、グローバルのスタンダードに合うような、アジアで戦える新しい働き方をつくっていこうと考えています。この4つを軸に、今、グローバルでの新しい博報堂の戦い方をつくろうとチャレンジしています。
 

―具体的にどんな組織体制になっているんでしょうか。

宮部 博報堂がグローバル事業を始めて今年で50周年ですが、当初は日系クライアントが海外進出する際に一緒について行き、支援するのがメインでした。最近では各国単位でマネジメントしていく1カントリー1マネジメントを推進しています。GMDX推進局ではこの動きに合わせて、各国ごとに活動するカントリーチームと、国をまたいだテーマを対応するテーマチームが連携して動いています。カントリーチームでは、現地推進体制と日本からの支援体制の両方のメンバーがいます。

テーマチームでは、国を超えて共通化しているメディアやプラットフォームのソリューションを整備するチーム、次世代化しているオウンドやアーンドメディアに対応するチームがあります。この他にも、コマースに対応できるチームや、CDPやCRMなど顧客基盤を中心としたマーケティングを考えていくチームなど、クロスカントリーで対応していけるような体制を整えています。メンバーは、国単位とテーマの両チームに属しながら、自分の旗をちゃんと立てつつ、チームを運営しています。


坂口 また、タイや上海の生活総研や、博報堂コンサルティング・アジア・パシフィックというシンガポールベースのコンサルファームなどをつなぐハブ機能を私達GMDX推進局が果たしながら、グローバルネットワーク強化に努めています。


宮部 グローバルでは、一つひとつの会社の単位が小さい段階から、ようやく国ごとに一つにまとまり始めている段階なので、日本ほどのケイパビリティをカバーできる体制が現状十分ではありません。なので、クライアントに対してちゃんとサービス提供できるように体制を整えたり、協業先を開拓し大きなチームを作るのは、日本でやるよりも大変かもしれないですが、そこが逆に面白いところかなと思います。


今、局全体としては何人ぐらいの体制なんでしょうか?

宮部 全体で50人程度ですね。日本側で本属としてやってるメンバーもいれば、上海、広州、台湾、タイ、インドネシア、ベトナムのオフィス拠点に駐在しているメンバーもいます。国籍も多様で、いろんなバックグランドや専門性を持ったメンバーがいるのは私たちの強みです。日本で成功したものを別の国にもっていこうとするときに、生活者の受け取られ方や、どうビジネスに入り込むのか、国ごとのギャップを埋めるときに、懸け橋になる方が私たちのチームにいると、接着点になってくれるんですよ。


坂口 そう、グローバル業務は結構スピード感が大事なのですが、すぐそばに対象国出身のメンバーが座っていてディスカッション出来る。そういったアジャイルというか迅速な対応ができるのがありがたいですね。
 

―ご紹介いただいたような多様なメンバーのチーム編成で、今具体的にどんな仕事をしているんでしょうか?

坂口 私のチームでは、従来のコミュニケーション戦略支援だけではなく、日本企業が海外企業をM&Aした際に、「どうやってブランドを統合していくべきか?」というグローバルブランディングの相談が増えています。また、コロナの影響で市場環境が変化していることもあり、海外戦略の見直しや新規進出戦略立案などの業務を担当しています。業務によっては海外現地プランナーと連携して業務遂行することもあります。


宮部 DX周りでは、ECのマーケティングを推進したいというお声掛けが増えています。今、中国だと市場におけるECの比率が50%を超えてきていて、おそらく世界で一番ECマーケティングが進んでいます。アジア各国でもEC化率が高まる中で、グループ会社で出資している、ECイネーブラーと呼ばれるECの運用会社と協業して、ECの運用業務やマーケティング戦略を含めて考えていく業務が増えていますね。あとは、D2Cで、ECのために新しくブランドを立ち上げて、商品開発をして、ECの基盤を創っていく業務もあります。

その国独自のプラットフォーマーのソリューションをうまく活用することも大事で、そことのパートナーシップを組むようなことやCRM基盤の整備やコミュニティー開発などの業務などフルファネルでのマーケティングDXの推進をしています。


今後GMDX推進局はどんな方向に向かっていくのか、将来像について教えてください。

坂口 グローバルで仕事をしていると、博報堂の現地スタッフやクライアントさんから「生活者発想っていいよね」という声をかけて頂けることが多く本当に嬉しく思っています。

将来的には今よりももっと色々な方々とつながっていき、“生活者発想“という大きなネットワークのハブに成長できたら良いなと考えています。もっと開かれたグローバルチームを作っていきたいですね。

宮部 今、博報堂というエージェンシーが、これから本当にグローバルで戦えるエージェンシーになれるかどうかの変革期にいるので、これから50年先に残る、博報堂の新しいグローバルビジネスの土台を作っていきたいです。特に、あと数年で、アジアの中で強いエージェンシーのネットワークがあると対外的に認識してもらえるようになりたい。日本のエージェンシーが世界で戦えると示していけたら面白いと思うんで、一緒にやっていけるメンバーが集まってくれるといいなと思っています。


新しく部門ができたことで、人もリソースも知見も集まってきて、新しいキャリアも見えてくる。そういう大きなミッション抱えながら、まさに今、開拓していくプロセスにある中で、一緒に働く仲間を募りたいということですね。具体的に、どんな方と一緒に働きたいですか?

宮部 DX系では、博報堂そして世の中でもいろいろな会社がチャレンジし始めている未開拓領域を切り開いて、リソースもないところから一緒に案件をつくっていこうとするマインドセットの方と一緒にやれるといいなと思っています。フロンティアスピリットを持って、博報堂という組織をグローバル化していく新しいチャレンジを一緒にやっていける人が来てくれるといいですね。

グローバルでは、博報堂はまだベンチャーというか、これからまだ変えられるタイミングなので、背番号の若いタイミングで合流してくれる仲間が増えてくれるといいなと思っています。


坂口 そうですね。単に「海外が好き」というよりも、色々な価値観に出会いたいという好奇心や探究心を持って、一緒に歩んでくれる仲間に出会えたら嬉しいです。


ちなみに、多様なバックグラウンドの方がいらっしゃるというお話でしたが、キャリア入社の方も多いんでしょうか?

宮部 そうですね。私のチームは、8割程度がキャリア入社の方です。同じような業界でグローバル領域をされていた方、元SIerの方や、マーケティングのシステム基盤でコンサルをやられていた方とか、プラットフォーマー側の方もいます。日本でマーケティングをやられていた方が「海外でチャレンジしてみたい」と来られる方もいます。


実際にキャリア入社の方は、今どんなふうに活躍していますか?

坂口 最近は広告業務経験が少ない方の転職も増えてきました。最初は不安に思うことも多いようですが、業務領域は広告だけは無くなってますので、他業界での経験や知恵が生かせることが多くなっています。また、コンサルティングファームにいたメンバーは、分析力や提案力をそのまま生かすことが出来ています。バックグラウンドも様々ですので、

例えばメーカー出身の方だったら、「その業界について教えて」と他メンバーから聞かれる機会も多いと思います。いろんな形で活躍してもらえるんじゃないでしょうか。
 

宮部 はじめは博報堂が得意としている領域を、キャッチアップしてもらうタイミングもちろんあるんですけど、坂口が言っていたとおり、今は新しい領域にチャレンジしているので、キャリア入社で入ってきてくれた人の存在自体が、新しい領域をカバーしてくれることがあるんです。その領域と、博報堂のリソースやナレッジ、フィロソフィーと合わさっていったときに、また新しいことが生まれるので。新しいことを取り入れたい方、かつ、自分のやってきた領域がはっきりしている方のほうが、うまくやっていけると思います。

─最後に、博報堂でグローバルマーケティングDX、グローバルビジネスをやっていくことに興味を持たれている方へのメッセージお願いします。

宮部 「いろんな国でマーケティングをチャレンジしたい」「DXをやってみたい」「いろんなカルチャーに触れたい」っていう方は、そういう仕事ができる環境がGMDX推進局には整っていると思います。各国の博報堂メンバーと一緒に戦略そしてアウトプットをつくって、それをちゃんと動かしていくための仕組みやシステムまで、現地のメンバーと一緒にチャレンジする醍醐味を感じられると思います。

繰り返しにはなりますが、フロンティアスピリットを持って、これからの私たちのグローバルでの新しいチャレンジを一緒にやっていただける方、お待ちしています!


坂口 博報堂は生活者発想を大切にしている会社なので、どんなバックグラウンドの方が来ても必ず主役になるチャンスがあります。そして海外にも生活者発想を信じて一緒に働いてくれるメンバーが大勢います。是非一緒にグローバルで別解を生み出していきましょう!
 


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